この連載では、「進める保守、逃げない責任」という旗印のもと、現代の政治における主要な5つの傾向と、それぞれが持つ課題を検討してきました。

  • 「壊す政治」が制度と信頼を破壊する危うさ(第1回)
  • 復古主義的保守が、過去への回帰を伝統と混同する問題(第2回)
  • 怒りと給付が制度の持続性を危うくする構造(第3回)
  • 理念の純粋さが現実との接続を阻むジレンマ(第4回)
  • 実務主義や中道路線が軸を見失いやすい構造的限界(第5回)

どの立場にも、それぞれの主張の背景と意義があります。しかし、それらが「信頼」という制度の根幹を築く視点と結びついているかどうか。それこそが、いま最も問われるべきポイントではないでしょうか。

「信頼」は、制度と生活をつなぐ接着剤

制度は仕組みだけでは機能しません。そこに「この社会なら託せる」「このルールなら従える」と思える信頼があって初めて、制度は血の通った社会的基盤になります。

信頼を失えば、制度は空洞化し、政治はノイズに埋もれていきます。だからこそ、制度を支える信頼をどう育てるか。その営みに、私たちは立ち戻る必要があるのではないでしょうか。

地方から、「進める保守」のかたちを

中央の議論が理念や駆け引きに偏りがちな今、信頼を築く政治はむしろ地方から始まるのではないかと私は考えます。

人口減少、医療・福祉の持続性、防災とインフラの再構築、教育や地域経済の担い手不足。これらは地方が直面する深刻な課題ですが、同時に、地域住民が顔の見える形で対話と合意形成を積み重ねていける場所でもあります。

「進める保守」とは、こうした現場で制度を支え続ける責任を担う姿勢にほかなりません。

対立を超えた「制度を育てる政治」へ

政治的立場の違いはあって当然です。しかしその違いを乗り越える共通の土台が、「制度への責任感」や「合意形成への誠実さ」であるべきではないでしょうか。

壊さない。戻らない。叫ばない。
進める。見つめる。対話する。

政治を支える制度と、それを信頼する社会。その接続を丁寧に再構築することこそ、これからの政治の核心です。

「進める保守、逃げない責任」から始める

私は、理念を掲げ、制度を育て、信頼を積み重ねていく政治を目指します。

それは、選挙での勝ち負けや、政局での優劣を超えた、もっと地に足のついた営みです。

どの政党にも、それぞれ果たすべき役割がある。だからこそ、批判に終わらず、制度の土台を共に育てる責任を分かち合える関係が必要です。

草の根の現場から、制度を育て、信頼を築く政治へ。
それが「進める保守、逃げない責任」が目指す未来です。


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